NPO法人の収入源は?財源割合や資金調達のコツなどを解説!

NPO法人の収入源は?財源割合や資金調達のコツなどを解説!

NPO法人の収入源がどのようになっているか、活動費用はどのようにまかなっているのかご存知でしょうか。この記事では、NPO法人の収入源や資金調達方法についてわかりやすく解説します。記事の後半ではNPO法人の種類から、収入源の違いを解説するのでぜひご覧ください。

営利目的で運営してはいけないNPO法人は、なにを収入源に活動資金を調達しているのでしょうか。

寄付金はイメージしやすい収入源ですが、実は他にも多くの収入源があります。

本記事では、NPO法人の収入源や財源の割合を政府統計を基にわかりやすく解説します。

さらに、NPO法人の種類ごとの収益源についても解説するので、ぜひご覧ください。

本記事を読めば、寄付以外にもNPO法人を支援する方法が分かったり、NPO法人の実態が理解できるようになります。

NPO法人の収入源

NPO法人の主な収入源は以下の通りです。

  • 寄付金:企業や個人から受け取る見返りなしのお金
  • 会費:NPO法人に所属していることによる年会費・月会費などの収入
  • 助成金・補助金:国や自治体に申請し支給されるお金
  • 事業収入:物販や講演会による収入
  • その他:上記以外の収入(例:受託費)

NPO法人は寄付金でまかなわれているイメージがありますが、実は複数の収入源により成り立っています。

それぞれの収入源の割合は、以下の通りです。

令和2年度特定非営利活動法人に関する実態調査報告書 「収益の内訳」

参照元:令和2年度特定非営利活動法人に関する実態調査報告書

なお、認証法人と認定・特例認定法人の違いは所轄庁の認定を受けているか否かです。

一般的なNPO法人は認証法人、認定・特例認定法人には認定NPO法人が該当します。

実はどちらのNPO法人も、寄付金より事業収益のほうが割合が高いです。

特に認証法人は83.1%と、事業収益が収入源の大半を占めています。

一方、認定・特例認定法人も37.9%と最も高いですが、寄付金は32.2%、補助金・助成金は26.1%と分散されているようです。

ここからはそれぞれの収入源がどのようなものか、それぞれ詳しく説明します。

寄付金

寄付金は、企業や個人から受け取る見返りなしのお金です。

集まった寄付金は、用途を自由に決められ、必要な項目にすぐ使えます。

認証法人と比べて、認定・特例認定法人のほうが割合が大きいのは、寄付金控除が使えるためだと考えられます。

会費

会費とは、NPO法人の活動に参画してくれる人を募って徴収する年会費や月会費です。

継続的な収入になるので、NPO法人にとっては貴重な収入源となります。

団体によりますが、年会費は数千円ほどが多いです。

助成金・補助金

助成金・補助金は、国や自治体に申請して、審査や面接を経て支給されるお金です。

用途が限定されるものの、返済は原則不要なので使いやすい収入源となっています。

例えば、ふるさと納税を活用してNPOを支援するための補助金や、被災地や子どもへの支援に対する補助金などがあります。

なお、NPO法人が使える助成金や補助金は、NPO施策ポータルサイトにて検索が可能です。

事業収入

事業収入とは、NPO法人の活動(事業)により得られた収入を指します。

例えば、以下のようなケースの収入が挙げられます。

  • 児童保育の預かり料金を受け取る
  • フェアトレード商品の販売収入を得る

その他にも、受託事業による収益も事業収入です。

何かしらの事業をして、収入を得られたら事業収入です。

ただし、要件に該当すると納税義務がかかるので注意しましょう。

NPO法人の税金について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

NPO法人の資金調達にはマンスリーサポーター制度が便利

NPO法人の資金調達には、マンスリーサポーター制度が便利です。

マンスリーサポーター制度とは、毎月定額の寄付を行って、寄付者にNPO法人の継続支援を促す制度です。

寄付者が止めるまで寄付が続くため、NPO法人側からすると毎月安定して寄付金収入が得られます。

さらに、寄付金の用途はNPO法人が自由に決められます。

マンスリーサポーターのメリットは、寄付者がクレジットカードや銀行口座振替を設定すれば、毎月自動で支援できるので手間が省けます。

また、NPO法人にとっては、毎月寄付金が振り込まれるので安定収入につながります。

一方、寄付者とのコミュニケーションが不足しやすかったり、寄付金の使い道がわかりにくかったりする点が主なデメリットです。

寄付者とのコミュニケーションを充実させつつ、寄付金の使い道を明確に伝える活動をすれば、デメリットをカバーしながら安定収入につなげられます。

NPO法人の種類によって収益源の割合は異なる

NPO法人の種類によって、収益源の割合は異なります。

NPO法人は、大きく分けて寄付型と事業型の2種類です。

  • 寄付型:寄付や助成金が主な収入源
  • 事業型:事業収入が主な収入源

どちらも社会問題の解決が主な目的である点は共通しています。

しかし、両者で特徴が少し異なるので、それぞれ解説します。

寄付型のNPO法人

寄付型のNPO法人は、収入源が寄付や補助金・助成金がメインの団体です。

例えば、以下のような無償提供による活動をしています。

  • ホームレス支援の炊き出し
  • 発展途上国のワクチン接種事業

寄付型NPO法人は、寄付金という柔軟に使えるお金が収入源なので、なかなか支援が届かない所にも手を差し伸べやすい点が特長です。

事業型のNPO法人

事業型のNPO法人は、収入源が事業収入が主となっている団体です。

例えば、以下のような事業をする団体が挙げられます。

  • ものづくりの技術支援:モノづくりを通じて販売利益を得る
  • 若者の就労支援:雇用を元に事業活動をして利益を得る

事業からの収益も得られるので、寄付型よりも規模が大きくなりやすい特徴があります。

NPO法人の収入源は寄付金だけではない

NPO法人の収入源は複数あり、寄付金だけではありません。

実は事業収入が最も多く、他にも会費や助成金・補助金などもあるのです。

また、マンスリーサポーター制度を利用して、安定して資金を調達しているNPO法人もいます。

寄付だけでなく、会費や事業収入への貢献でNPO法人に協力することができるのです。