寄付金をのし袋に入れて手渡す時に、正しいマナーで渡す方法が分からずにお困りではないでしょうか。
この記事では、のし袋の構成や表書きの書き方、お金の入れ方のマナーなどを分かりやすく説明します。
記事を読み終えると、失礼に値しない寄付ができるので、ぜひ最後までお読みください。
のし袋の構成
のし袋の構成は、和紙でできた袋・重ねる紙と水引きで構成されます。
「のし」とは、のし袋の右上にある小さな飾りのことです。
中央にあるこよりを集めた飾りが、水引きです。水引きには、主に以下の3つの意味があります。
- 未開封を保証する
- 魔除け
- 紐を引いて結ぶことから人と人を結ぶ
このうち、寄付においては特に人と人を結ぶという意味で使われます。
なお、のし袋は量販店・スーパーマーケットや100均などで購入が可能です。
のし袋で寄付する際のマナー
のし袋で寄付金を手渡す際の正しいマナーは、主に以下の5点です。
- 寄付に適した封筒は金封とのし袋
- 水引きは紅白か紅金で、蝶結びかあわじ結びのものを選ぶ
- 表書きは「ご寄付」または「金一封」
- お金はできるだけ綺麗な状態のものにする
- 寄付金額は旧字体の漢数字を使って書く
マナーを知っていれば、のし袋で寄付金を渡す際に失礼に思われずに済むので、順に解説します。
寄付に適した封筒の種類
寄付に適した封筒の種類は、金封とのし袋です。
金封とのし袋の違いは以下の通りです。
- 金封:一枚の紙を折って作った本体があり、その中に紙幣を入れられる中袋があるもの
- のし袋:のしと水引きが印刷されたもの
どちらを使うべきか悩むなら、寄付金額によって使い分けましょう。
一般的には封筒に包む金額が1万円を超えると金封、1万円未満はのし袋に包みます。
なお、明確な決まりはありません。
寄付金に適したのし袋の水引きの種類
寄付金を包む際、のし袋の水引きの種類は「蝶結び」と「あわじ結び」のどちらかにしましょう。
蝶結びは何度でも結べることから、繰り返しを意味を持つ結び方です。
寄付の場面では、1度きりのことではないというメッセージを連想させるので、印象がよくなります。
あわじ結びは、結び目が複雑で解けにくいことから、関係が末長く続くようにという意味がこめられています。
寄付金を手渡す際は、蝶結びとあわじ結びのどちらかを用いましょう。
水引きの色は紅白か紅金を選ぶ
水引きの色は、紅白か紅金のどちらかを選んでください。
水引きの色にはそれぞれ意味があり、紅白は祝い事全般に使われます。
もう一方の紅金は、神事や門松の飾りなど特別な用途に使わるものです。
ただし、白黒や黄白、双銀などは主に仏事で使用されるため、寄付金では使用しません。
結び切りは不適切
水引きの中でも、結び切りは不適切なので注意してください。
結び切りには1回きりという意味があり、婚礼関係や快気祝いなどに使われます。
そのため寄付金を手渡す際に利用してしまうと、「寄付は1回きりだ」という印象を与えかねません。
のし袋の表書きは「ご寄付」か「金一封」が適している
のし袋に使う表書きは「ご寄付」や「金一封」が適しています。
また、物品の寄付の場合は、「ご贈答」を使いましょう。
お金と物品の両方の場合は、「呈上」を使うとよいです。
表書きの種類に「寸志」というものがありますが、寄付金を包む時は使いません。
寸志は謙譲語で、自分の立場を下げて相手を謙遜する意味があります。
謙遜は人により、嫌味や不快感につながるため、避けた方が無難です。
なお、書き間違えた際は書き直さず、新しいのし袋を使用するのがマナーです。
のし袋に入れるお金のマナー
のし袋に入れるお金のマナーは、以下の通りです。
- なるべく綺麗なお札を包む
- 金額の記載は旧字体を用いる
お金は直接相手に渡って利用されるものなので、正しいマナーで送れるようになりましょう。
新札でなくてもいいが綺麗なお札を包む
寄付金として包むお札は、できるだけ綺麗なもので問題ないので安心してください。
必ず新札を使用するというルールやマナーはありません。
とはいえ、受け取り手の気持ちを考えると、新札を包むとより好印象です。
新札は銀行窓口で両替すれば、入手できます。
寄付金を包む際に、綺麗なお札や新札がタイミングよく手元にあるとは限りません。
前もって新札を準備しておくと、急に寄付をすることになっても慌てずに済みます。
金額は旧字体の漢数字を使う
寄付金を包む時の金額は、旧字体の漢数字で書きましょう。
記載例は以下の表で確認してください。
金額 | 旧字体 |
10,000円 | 壱萬圓 |
20,000円 | 弍萬圓 |
30,000円 | 参萬圓 |
40,000円 | 肆萬圓 |
50,000円 | 伍萬圓 |
60,000円 | 陸萬圓 |
70,000円 | 漆萬圓 |
80,000円 | 捌萬圓 |
90,000円 | 玖萬圓 |
100,000円 | 拾萬圓 |
封筒裏の住所の番地などは、一・二や三などの常用漢字で問題ありません。
なお、書き間違えた時は修正せず、新しい封筒を使用しましょう。
義援金として寄付する時のマナー
義援金を寄付する時は、のし袋を使わず、シンプルな白黒の封筒を使用するのがマナーです。
のし袋にはお祝いの意味もあるため、被災された方々に対して不謹慎になります。
また、表書きはお見舞いが一般的で、包む金額は死・無や苦しみを連想させないよう4・6・9が入る金額を避けます。
神社に寄付する時の表書きは「初穂料」か「玉串料」が適している
神社に寄付する時の表書きは、「初穂料」か「玉串料」が適しています。
初穂料は、祈祷を依頼した時に納めるお金で、例えば七五三・お宮参りや合格祈願の時に表書きとして使用します。
玉串料は、弔いや葬儀に使う表書きです。
神社に寄付をする時は、場合によって使い分けましょう。
100均で買ったのし袋は渡す相手をみて使う
のし袋は100均でも購入できますが、相手との距離感をみて利用しましょう。
100均で購入したのし袋で渡すことについて、反対意見の代表例は次の通りです。
- のし袋が100円と知ってがっかりするかもしれない
- 100均で同じものを見かけたらどうしよう
一方で、以下のような肯定的な意見もあります。
- 入っている金額が正しいかが大事
- のし袋は100円でも、大きい金額が入っていたら気にしない
100均で購入したのし袋について感じ方は人それぞれですので、初めて寄付する相手なのか、付き合いの長い相手への寄付なのかなど関係性をみて判断しましょう。
のし袋の正しいマナーを知って失礼にならない寄付をしよう
のし袋を使って失礼にならない寄付をするためには、正しいマナーを知ることが大切です。
寄付金をのし袋に入れる際には、水引きの色や結び方に気を付けましょう。
また、表書きは「ご寄付」や「金一封」と書き、封筒の金額は旧字体で記載します。
少しでも相手に喜んでもらうためにも、のし袋による寄付は正しいマナーで行いましょう。