世の中には、進んで寄付をする人が一定数います。事実、近年では寄付する人数や金額が、右肩上がりで増加しています。
では寄付する人たちは、何を目的として寄付しているのでしょうか。
本記事では、寄付する人の理由を詳しく解説します。また、一般の人が寄付するメリットについても説明するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
寄付する人の8つの理由
寄付をする人たちが考える主にな理由は以下の8つです。
- 節税
- 社会貢献
- 特定の団体やプロジェクトを応援したい
- 感謝の気持ちを伝えたい
- 助け合いの精神を広げていきたい
- 自分が寄付したい
- 寄付をお願いされた
- お金が余った
節税などの実利的な理由から、感謝や助け合いの精神など、様々な理由があります。
節税
寄付の理由で最も多いのは、節税対策になるからです。所得税や住民税が安くなります。
例えば、ふるさと納税では、寄付金額のうち2,000円を差し引いた金額が、税額から除外されます。
ふるさと納税 →自分の好きな自治体へ寄付して、返礼品を受け取りつつ、節税できる制度 |
また、認定NPO法人などの社会問題に取り組む非営利組織への寄付も、節税対策になります。認定NPO法人への寄付の場合、計算された税額を直接差し引くこと(税額控除)ができるので、節税効果が高いです。
認定NPO法人への寄付は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
税金対策のために、多額の寄付をする人が一定数います。
社会貢献
災害援助、途上国への支援、環境保全など、社会貢献活動に協力したくて寄付をする人がいます。
NPO法人のような非営利組織へ寄付すると、活動レポートや支援先からお礼のメッセージなどが届く場合があります。それらを見ることで、自分も社会貢献している感覚を得られます。
日々の生活では大した力になれないけれど、少しでも社会を良くするために寄付しています。
特定の団体やプロジェクトを応援したい
自分に関連していたり、活動内容に共感したりしている特定の団体やプロジェクトを応援するために、寄付をする人がいます。
例えば、過去の貧しい経験から途上国の子どもたちを支援しようと思ったり、社会復帰に苦しんだ経験から復職プロジェクトを応援しようと思ったりなどです。自身が共感する団体や苦しい経験をした過去、関心のあるテーマに基づいて、寄付を決意する人がいます。
感謝の気持ちを伝えたい
社会貢献活動をしている人たちに対して、感謝の気持ちを伝えるために寄付を行う人もいます。
例えば、東日本大震災の際は、災害救助活動や被災地への支援活動などに多額の寄付が集まりました。現地に家族がいる方やゆかりがある方であれば、そういった活動をしてくれていることに感謝して寄付をします。
助け合いの精神を広げていきたい
自ら進んで寄付することで、何かあったら助け合いが大事だという精神を広めたくて、寄付する人がいます。
困っている人々の存在を知っていても、なかなか寄付などの行動に移せない人は少なくありません。しかし、誰かが行動に移せば、続いて他の人も行動に移しやすくなりますよね。
その最初に行動する人に自分がなって、助け合いの輪を広げていこうと思い、実際に寄付をする人がいます。
自分が寄付したい
損得ではなく、ただ寄付をしたいからするという人もいます。
節税対策や感謝を伝えるためなど、明確な目的があって寄付する人が多いのも事実です。一方、自分が寄付をしているという事実に満足して、寄付を続けているという人もいます。
とはいえ、それは決して悪いことではないでしょう。
「やらない善よりやる偽善」という言葉があるように、寄付先の人たちからすれば、寄付してくれるだけで嬉しいことです。
寄付をお願いされた
友人や家族に寄付をお願いされたために、寄付する人もいます。
知り合いにとっては、誰かにお願いするほど支援したい団体やプロジェクトなのでしょう。知り合いのためを思って寄付すると考えれば、良い気持ちになって、実際に寄付する人がいます。
お金が余った
宝くじに当選したり、遺産が多く残ったりして、お金に余裕があるため寄付する人がいます。
お金は結局ただの紙切れなので、余らせてもしょうがないと考えて、寄付を行います。運良く得たお金であれば、少し社会に還元することで、気持ち良く使えるでしょう。
寄付する人の人数・金額は年々増加している
実は日本の寄付人数や金額は、年々増加しています。
西暦 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2014年 | 2016年 | 2020年 |
寄付金額 | 5,455億円 | 4,874億円 | 1兆182億円 | 6,931億円 | 7,409億円 | 7,756億円 | 1兆2,126億円 |
寄付人数 | 3,766万人 | 3,733万人 | 7,026万人 | 4,759万人 | 4,410万人 | 4,571万人 | 4,352万人 |
参照:寄付白書2021
2011年に起きた東日本大震災を機に、一気に寄付金額が増えました。また、近年ではクラウドファンディングのような寄付方法もできており、寄付のスタイルが多様化しています。
2012年は寄付人数・金額はどちらも2011年の反動で減っていますが、2010年時点から比べれば、大幅に増加しています。日本人の寄付意識は、少しずつ上がってきているといえるでしょう。
一般の人でも寄付する3つのメリット
一般の人でも寄付するメリットは、主に以下の3つです。
- 節税になる
- 社会問題を学ぶきっかけになる
- 社会貢献になる
税金対策をしつつ、社会への貢献ができます。
節税になる
一般の人が寄付をしても、もちろん節税になります。会社員でもできる税金対策なので、所得税や住民税を安くしたい人におすすめです。
ただし、寄付をした場合は自分で確定申告をする必要があります。年末調整で会社が手続きしてくれるわけではありません。
とはいえ、確定申告はインターネットで簡単に行えるため、手続きの難易度は高くないので安心して行えます。
社会問題を学ぶきっかけになる
寄付を検討する際に、どのような団体やプロジェクトがあるか調べることで、国内外の社会問題を学ぶきっかけになります。
せっかく寄付するなら、興味のある分野や自分に関連するテーマの活動を支援したいと考える人が多いでしょう。その際に、具体的にどのような社会問題があるのか、どういった団体やプロジェクトがどう活動しているのかなどが気になるはずです。
寄付を通じて、社会問題の実態を勉強する機会を作れます。
社会貢献になる
寄付をすれば、今ある社会問題の解決にほんの少しでも協力することができます。たった数百円や数千円の寄付でも、寄付先の人たちにとっては非常に貴重です。
例えば、ユニセフによると、月額4,000円の寄付で、安全な水を確保するための浄水剤1年分を23家族に届けることができます。
他にも、たった100円の寄付だけでも、病気から子どもを守る経口ワクチンに変えて支援できます。あまりたくさんお金を持っていなくても、寄付を通じてたくさんの社会貢献ができます。
寄付する人には様々な理由がある
寄付をする人の理由には、節税対策や感謝、お願いされただけなど様々なものがあります。決して大きな目的がなくても、寄付を行うことで助かる人々がいます。
少しでも寄付に興味を持たれたら、まずはどのような団体やプロジェクトがあるのか調べてみるとよいでしょう。興味のある活動をしている団体やプロジェクトに出会えるかもしれません。