寄附金控除は年末調整で適用できるのでしょうか。
結論、寄附金控除は年末調整の対象ではないため、自身で確定申告が必要です。
なお、ふるさと納税の場合、一定条件を満たせばワンストップ特例制度を利用すれば確定申告が不要になります。
本記事では、寄附金控除の概要に触れつつ、寄附金控除の受け方についても詳しく説明します。
さらに、ふるさと納税の場合も解説しますので参考にしてください。
寄附金控除とは
寄附金控除とは、国や地方公共団体などに寄付をした場合に税額の一部が控除される制度です。控除の方法には、所得から一定額を差し引く「所得控除」と、最終的な税k額から直接差し引く「税額控除」の2種類があります。
所得控除とは所得金額から一定の金額を差し引ける制度で、差し引かれた分だけ税金の対象から外れるため支払う税金が少なくなります。
また、認定NPO法人など指定された団体に寄付をすると、寄付金特別控除に該当して、税額控除の対象になります。
税額控除は最終的に計算された税額から直接控除するため、所得控除よりも減税効果が高いです。
寄附金控除の対象先は?
寄附金控除の対象先は、国や地方公共団体、公益法人、認定NPO団体など認められた団体のみになります。
寄付先によって寄附金控除の対象かどうかが異なりますので、寄付を検討している団体のホームページなどで確認するようにしてください。
寄附金控除は年末調整では受けられない
寄附金控除は年末調整では受けられません。
会社員の方など確定申告をしていない方も、確定申告が必要になりますので注意してください。
寄附金控除を受ける方法
寄附金控除を受けるには、まず必要書類を用意をして、確定申告の手続きを進めましょう。
なお、確定申告の時期は毎年2/16〜3/15までの間です。
必要な書類
寄附金控除を受けるために必要な書類は以下のとおりです。
- マイナンバーカードまたは番号確認書類と身元確認書類
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告書 ※2023年1月から申告書Aは廃止され申告書Bに統合
- 寄付金受領証明書
- 対象の年の源泉徴収票または収入が分かる書類
- 銀行口座番号がわかるもの ※還付がある場合
必要な書類が用意できたら、確定申告の手続きを進めましょう。
確定申告をする
確定申告はインターネットでも簡単にできます。
まずは寄附金控除の金額を以下の計算式で計算します。
(寄附金控除の控除額の計算方法)
(寄付した金額-2,000円)×所得税の税率 |
例えば、20,000円を寄付して所得税の税率が10%の場合、(20,000円-2,000円)×10%=1,800円が控除額になります。
この金額を、所得税及び復興特別所得税の確定申告書の「寄附金控除」の欄に記載しましょう。
また、インターネットで確定申告する場合の流れは以下のとおりです。
国税庁のホームページから「作成開始」を選択してください。
続いて、確定申告書の提出方法を選択します。
今回は印刷をして提出する方法で説明をします。
提出方法の選択後、「所得税」をクリックします。
生年月日や申告内容に関する質問に回答します。
そして、所得金額を入力すると、所得控除の入力画面に進みますので「寄附金控除」の欄を入力してください。
その後は案内に従って、手続きを進めていけば問題ありません。
ふるさと納税の場合はワンストップ特例制度を使えば確定申告は不要
ふるさと納税も寄附金控除の一種ではありますが、ワンストップ特例制度を使えば確定申告をせずに控除を受けられます。
寄付先が5つを超えてしまうとワンストップ特例制度は適用できないなど制限はありますが、より手軽に控除を受けたい方は、このワンストップ特例制度を検討してみてください。
この制度を使えば、確定申告をしなくても控除が受けられるため、ふるさと納税を行なう際はこの方法が便利です。
寄附金控除を受けるには原則確定申告が必要
寄附金控除は年末調整では受けられず、確定申告が必要です。
確定申告と聞くと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、寄附金控除を受けるための確定申告は非常に簡単にできます。
今回の記事を参考にしていただき、寄附金控除の理解を深めていただけると幸いです。