ミッションプロジェクトの寄付金の使途を教えてください。
以下7事業のいずれかの事業の運営費として活用させて頂きます。
1.子ども食堂事業
子どもたちが孤立することなく安心して生活することができる地域コミュニティを創出すべく、子ども食堂を中心としたコミュニティ創出事業に取り組んでいます。
2.奨学金事業
社会的養護のもとで暮らす子どもたちを対象に、大学・専門学校等の進学・卒業のための給付型の奨学金と伴走支援を提供しています。
3.キャリアセッション事業
社会的養護のもとで暮らす子どもたちを対象に、職業の選択肢を広げるとともに非認知能力を高めるキャリア教育プログラムを提供しています。
4.お金の教育事業
社会的養護のもとで暮らす子どもたちを対象に、社会に出てから金銭面で困難に直面することがないよう、金融リテラシー教育を行っています。
5.実親子支援事業
親と一緒に暮らしたいと願う子どもたちに、実親のもとでの適切で十分な養育環境を提供するための支援に取り組んでいます。
6.里親支援事業
社会的養護下の子どもたちにより家庭的な養育環境を提供すべく、里親制度の普及啓発、里親のリクルーティング支援などを行っています。
7.外国にルーツを持つ子ども支援
日本に暮らす外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、日本語学習や地域社会とのつながりを得る機会を提供する活動を実施しています。
なお、Living in Peaceは専従職員を持たない「完全パートタイム NPO」で、メンバーは全員が本業を持つビジネスパーソン(プロボノ)です。そのため、スタッフの人件費が発生せず、いただいた寄付金のほとんどを子どもたちのために効率よく使うことができます。
団体の具体的な取り組みを教えてください。
【永和町ベース】
奈良県大和高田市で運営する「永和町ベース」を拠点としたコミュニティ創出では、子ども食堂やフードパントリー、小学生向けプログラミング教室などの実施を通じて、地域の子どもたちや子育て世帯を包括的に見守り、セーフティーネットとなるような場づくりを目指しています。
【児童養護施設】
児童養護施設など社会的養護のもとで暮らす子どもたちを対象にした支援としては、家庭の後ろ盾のない子どもたちが進学・卒業を果たせるよう奨学金の給付と伴走支援を行うほか、さまざまな職業の講師による講義とワークショップを通じて職業観を広げ、粘り強さ、やり抜く力、ストレスへの弾力性といった非認知能力を高めるためのキャリア教育プログラム「おしごとリップ」、社会に出てから必要となるお金に関するリテラシーを育む「お金の教育講座」の実施や、進学のための資金計画を立てる「進学シミュレーション」の提供などに取り組んでいます。
【おでかけリップ】
また、新たに外国にルーツを持つ子どもたちへの支援としてトライアル事業「おでかけリップ」を開始。生まれや国籍・人種等に左右されず、自分らしく生きられるよう支援することを目指し、自然の中でさまざまなアクティビティをしながら仲間づくりをする活動や、ワークショップやおしごと体験などを通じて、「自分の将来を考えるきっかけ」を提供していきます。
どのような方が働いているのか教えてください。
Living in Peaceのメンバーは全員が仕事や学業などの本業を持っています。
本業は商社や銀行、ベンチャー企業の社員、ITコンサルタント、会計士、弁護士、医師など多岐にわたり、それぞれに多様なスキルと経験を有しています。
本業のスキルをビジネス以外の社会的課題解決に活かしたい、苦しい環境にある子どもたちを仕事を続けながら少しでもサポートしたい、仕事以外のライフワークとして子どもの貧困の問題に取り組んでいきたい、など動機やきっかけはさまざまですが、「すべての子どもに、チャンスを」というミッションを共有し、多忙な中で時間を捻出しながら活動を続けています。
平日は本業・家庭を優先しながらオンラインツールを活用して個々のチームごとにプロジェクトを進め、毎週土日のいずれかでオンラインミーティングで全体共有を行っています。
団体設立の背景や目的を教えてください。
「機会の平等を通じた貧困削減」と「パートタイムでできる社会貢献活動のモデル作り」を実現することを目標に、2007年に途上国におけるマイクロファイナンスを手がける団体として設立し、その後2009年にメンバーが児童養護施設を訪問したことをきっかけに、国内の子どもの貧困の削減を目指す「こどもプロジェクト」をスタートしました。
初めて児童養護施設を訪問したとき、施設で一緒に楽しく遊んだ子どもたちから、別れ際に「もう来ないんでしょ」と言われた私たちは、打ちのめされるような思いを抱えながら、社会的養護における課題解決のために何かしようと決意しました。住み込みでの研修などを通じ、子どもたちや社会的養護の現場にいる人々の声に耳を傾け、仕事を持っている社会人だからこそできる貢献は何かを考えた結果、子どものための資金調達支援とキャリア支援という最初の活動が生まれました。その後は社会の変化に合わせ、必要とされる支援のあり方を模索しながら、活動の幅を徐々に広げてきました。
私たちは、すべてのメンバーが仕事などの本分を別に持ち、 互いの時間を持ち寄って活動しています。 「社会のことも、私事(しごと)に」という想いのもと、社会の可能性を信じ、立場によらずその変革も「しごと=私のこと」とする人たちの力で、 真に平等な機会のある社会の実現を目指します。
Living in Peace 活動紹介動画(YouTube)
参加者へのメッセージをお願いします。
Living in Peaceが子どもの貧困という課題に取り組み始めてから10年余り。その間、社会の関心の高まりや法改正の進展など、解決への歩みは徐々に進んできましたが、児童虐待のニュースはいまだ絶えることなく、またコロナ禍によって困難な環境にある子どもたちや子育て世帯の苦境がいっそうあぶりだされています。
Living in Peace はメンバー全員が本業を持ちながら活動する団体として、多様な経験と幅広い視野を活かし、社会の変化に合わせて本当に必要とされる支援のあり方を追求しています。真に平等な機会のある社会の実現のために、皆さまからの温かいご支援を賜れれば幸いです。