ミッションプロジェクトの寄付金の使途について
「フローレンスの赤ちゃん縁組事業」は、2016年4月にスタートした事業です。事業内容は、1.生みの親(妊婦)の支援と2.育ての親(養親)への支援となり、インヴァスト証券の寄付金は、1.生みの親(妊婦)の支援に対して利用され、予期せぬ妊娠などに悩む妊婦さんの相談窓口運営費用として活用されています。
妊娠に悩み、相談してくる妊婦さんの多くは、10代であったり、貧困だったり、家族など周囲の人への相談が難しい状況であったり、様々な事情を抱えています。安心して無料で相談できる場所があることで、出産まで一度も病院に行かず自宅出産してしまう等、危険な状況を避けられます。
インヴァスト証券の支援が2017年4月から始まり、現在では年間1000件を超える相談が寄せられ、インヴァスト証券の寄付が始まってから28人(2023年3月末時点)の赤ちゃんが温かな家庭に迎えられました。
皆さんからのご寄付は、生みの親が育てることが難しい赤ちゃんが温かな家庭で人生をスタートできるよう、大切に役立てられています。
フローレンスの取り組み
【フローレンスのビジョン】
「今を 生きるわたしたちと まだ見ぬ子どもたちが希望と手をつないで歩める社会。さあ、心躍る未来へ。」です。
誰もが安心して子育てでき、仕事も両立していける社会づくりの実現を目指し、国内の親子を支える様々な事業を展開しています。
【フローレンスの事業紹介】
病児保育事業
団体立ち上げのきっかけになった「病児保育事業」は、風邪や発熱などで保育園に預けられないお子さんを、親御さんの代わりにご自宅で保育するサービスです。お子さんの疾病時でも、親御さんが安心して仕事に行くことができます。
2022年度には累計対応件数10万件を突破し、設立以来重大事故は0件です。またひとり親支援プランとして皆様からいただいた寄付を源資に月の基本料金1000円、保育料1時間1000円という格安での提供も行い、ひとり親家庭支援としても活動を継続しています。
認可保育園事業
待機児童問題の解決のため立ち上げた「小規模保育事業」は、2010年に厚生労働省の試験的事業として認められ、2015年4月には「小規模認可保育所」として国の認可事業となりました。
認可事業となることにより、多くの事業者がこのモデルを参考にできるようになったことで2020年には5000園を超える小規模認可保育所が日本全国で立ち上がり、待機児童問題の改善に貢献しています。
現在は「ポスト待機児童時代」を見据えて、保育園を乳幼児のワンオペ育児で孤立する過程のセーフティネットとなるよう、すべての家族が全入できる仕組みの導入を提言しています。
障害児保育・支援事業
医療的ケアが必要なお子さんや重症心身障害のお子さんの預け先がどこにもなく、親子が家庭に閉じこもるしかない状況を課題と捉え、2014年から展開しているのが「障害児保育事業」です。
障害のあるお子さんを長時間お預かりする日本で初めての障害児保育園ヘレン、登園が難しいお子さんには障害児訪問保育のアニー、保育の学齢を超えたお子さんでもお預かり可能な医療的ケアシッターナンシーと、お子さんやご家庭の状況に合わせた3つのサービスを提供し、親御さんが就業できたり、休息できたりする環境づくりに貢献しています。また、保育園の他にも品川区からの委託によるインクルーシブな児童館の運営や医ケア児家庭の親の就労サポートを行う事業など、幅広く活動しています。
こども宅食事業
経済的に厳しい状態をはじめ、様々な困りごとを抱える子育て世帯に、食品・日用品を定期的に配送する「こども宅食事業」です。
物品で生活をサポートしながら、親子と繋がり見守ることを目的としています。2021年には助けを求める声を上げられないご家庭に寄り添うアウトリーチ型の福祉モデルとして自治体と連携しながら、オンラインを活用して困りごとの相談を吸い上げる取り組み「ハイブリッド/ソーシャルワーク」を開始し、支援を必要とする親子へのアプローチを強化しています。
また、フローレンスグループ法人、「一般社団法人こども宅食応援団」の活動として、全国の「こども宅食実施団体」とのネットワークを構築し、立ち上げの伴走支援や物品配送の連携なども実施しています。
赤ちゃん縁組事業
産まれたばかりの赤ちゃんの遺棄・虐待死を無くすことを目指す「フローレンスの赤ちゃん縁組事業」では、予期せぬ妊娠に悩む女性のサポートなどをはじめ、赤ちゃんを育てることが難しい状況の親の元から子どもを望んでいる夫婦に託す活動を推進しています。
子どもの幸せを第一に、生みの親支援、育ての親支援に取り組んでいます。
どのような方が働いているの?
フローレンスは2024年3月1日時点で825名の組織となっております。うち、約3割が事務局運営スタッフ、約7割が現場で活躍している専門的なスタッフとなります。
例えば保育現場ですと、もともと看護師や保育士として働いていた人たちが、問題意識をもってフローレンスに転職いただくケースが多くあります。
例えば、障害児保育の分野でいえば、看護師として病院で看護した子どもたちが退院したあと、どのような成長をして社会と関わっていくのかをしっかりと見届けたい、という思いから。例えば病児保育の分野では、保育士としてもともと働いていたが、なかなか一人ひとりに時間をさくことが難しく、もっと子ども一人ひとりとしっかり関わりたいという思いなど、さまざまな思いをもってフローレンスへやってきてくださいます。
一方で、制度改正を自治体や国に働きかけるロビイング活動や、新規事業の立ち上げ、広報や寄付の窓口などを行う運営サイドは、会長の駒崎のマインドに共感し、異なる業種から入ってきたスタッフが比較的多くいます。新しい事業を動かしていくうえで、業界の慣習や常識に捕らわれることなくフラットな気持ちで向き合うことができていると感じています。
団体設立の背景と目的
きっかけは、会長の駒崎が母親から、幼い双子を育てながら働いている知り合いの方の話をきいたことです。
ある日、その方の子どもがインフルエンザにかかりました。もちろん子どもは保育園に行くことができず、その方は仕事を休むことに。ようやく治った頃に、今度は双子のもう一人にもうつってしまいました。結局1週間以上も仕事を休んでしまい、出勤をしてみると、雇い主から「もうこなくていいよ」と解雇が言い渡されたそうです。
子どもが病気になるのは当たり前。親が子どもを看病するのは自然なこと。それが通らない現代の日本に、駒崎は驚きました。
そして「子育てをみんなで支える仕組みをつくろう」という決意のもと、2004年にNPO法人フローレンスを立ち上げました。
ミッションプロジェクト参加者へのメッセージ
いま、国内の子どもを取り巻く環境は、子育てと仕事の両立の困難、子どもの貧困、虐待、孤独な子育てなど、問題が山積しています。例えば、2023年9月に厚労省から発表されたデータによると、2022年度の児童虐待数は過去最多の21万9170件記録しました。医療的ケア児の数は2008年から10年間で約2倍の20,000人に増加しましたが、その子どもたちの受け皿となる障害保育園は圧倒的に不足しています。そして日本のこどもの貧困は約9人にひとりとされていますが、様々な心理的障壁により公的な支援が届きづらい状況にあります。
私たちはこれらの社会課題に対して「今を 生きるわたしたちと まだ見ぬ子どもたちが希望と手をつないで歩める社会」の実現を目指し、「訪問型病児保育」「障害児保育」「こども宅食」「赤ちゃん縁組」など、今後も常識や固定概念にとらわれない新たな価値を創造していきます。
また同時に、行政や世論に働きかけることで制度として広げ、全国に広がることで多くの親子が救われるよう、社会問題解決のイノベーションを牽引していきます。そのためにはみなさんのお力が不可欠なのです。
そして本プロジェクトを通じたみなさんからのご寄付は「赤ちゃん虐待死問題」への取り組みに活用いたします。一人でも多くの「一人で悩み苦しんでいる母親」への支援として、「赤ちゃんが健康に幸せに生きることができる環境」への支援として、どうかお力をお貸しください。
共に社会課題を解決するパートナーとして、よろしくお願いいたします。