会社員や公務員として勤めながら、NPO法人で副業したいとお考えではないでしょうか。
結論、就業規則や諸条件に問題なければ、会社員や公務員でもNPO法人で副業できます。
この記事では、NPO法人で副業するために確認するポイントやメリット、デメリットなどを分かりやすく解説します。
さらに、副業からNPO法人への本格的な転職を検討する際に考えておくべきポイントについても言及したので、ぜひ参考にしてください。
NPO法人で副業できるか就業規則を必ずチェックする
NPO法人で副業できるかは、事前確認が必要です。
ただし、一般的に会社員と公務員では確認方法が異なります。
- 会社員:就業規則をチェックする
- 公務員:許可基準を満たし、場合によっては所属長の許可が必要になる
規則を確認せずに副業してしまうと、トラブルに発展する可能性があるので注意してください。
サラリーマンの場合
サラリーマンの場合は、所属する会社の就業規則を確認しましょう。
厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインによると、以下の場合においては、副業が禁止または制限されています。
これに沿って、就業規則で副業を禁止としている企業はまだ多くあるので注意してください。
① 労務提供上の支障がある場合 ② 業務上の秘密が漏洩する場合 ③ 競業により自社の利益が害される場合④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合 |
とはいえ、ガイドラインでは、労働者は労働時間以外は基本的に自由に時間を使って良いとも記載されています。
どうしても副業したい場合は、正直に上司へ相談してみると許可されるかもしれません。
公務員の場合
公務員の場合は、自治体の要件を満たせばNPO法人で副業が可能です。
ただし、自治体によって細かい要件は異なり、許可基準を決めていたり、所属長の承認や活動実績報告を必要としていたりします。
例えば、山形県新庄市や佐賀県佐賀市では、以下のように公務員の副業の許可基準を定めています。
兼業許可制度の目的に照らして許可基準に基づき具体的判断を示した事例 ①公務の遂行に支障が生じないこと:週休日、年次有給休暇等を活用すること ②職務の公正を確保できること:兼業先が非営利団体であること ③職務の品位を損ねるおそれがないこと:報酬が社会通念上相当であること |
また、兵庫県神戸市では所属長の承認や活動実績報告をもって、NPO法人での副業を認めています。
このように、各自治体で副業に対する許可の仕方が異なるため、詳しくは担当者に確認してください。
NPO法人でできる副業の探し方
NPO法人の副業の探し方には、以下のような方法があります。
- ボランティアで関わった団体に問い合わせる
- 求人サイトを探す
自分に合った方法でNPO法人で副業するためにも、それぞれ解説します。
もし就職も視野に入れているなら、以下の記事をぜひ参考にしてください。
ボランティアで関わった団体に問い合わせる
NPO法人の副業を探す際に、ボランティアなどで関わったことがある団体に問い合わせる方法があります。
すでに団体と関係構築できていれば、副業として関わらせてもらえる可能性が高いからです。
団体の雰囲気や活動内容の理解がすでにあるといったアピールができれば、相手からしても採用しやすいでしょう。
このように、一度関わった団体に問い合わせると、NPO法人で副業する近道になりやすいです。
求人サイトを探す
NPO法人の副業は、求人サイトに掲載されている場合があります。
実はパートやアルバイトなどの雇用形態で募集している団体があるのです。
具体的な仕事内容の例を挙げると、福祉スタッフやキャンペーンスタッフなどがあります。
ただし、求人サイトから応募するため、面接などの選考があるので注意してください。
自分がやってみたい仕事や、関わりたい団体が求人を出していれば、求人サイトから応募してみましょう。
NPO法人で副業する場合の関わり方
NPO法人で副業する場合の関わり方には、有償・無償の両方があります。それぞれどのような関わり方になるのか、解説します。
有償
NPO法人の副業で、有償で関わる場合は、一般的に業務委託契約を書面で交わすことが多いです。
業務委託契約では、以下のいずれかの報酬基準が基本となります。
- 業務時間:時給でもらう
- 成果報酬:自分で集めた寄付金の⚪︎%をもらう
- 案件単位:イベントに参加したらもらう
自分と団体が納得のいく形になるよう、しっかり話し合ったうえで有償の契約を結びましょう。
このように、NPO法人と業務委託契約を交わすと、有償で副業ができます。
無償
NPO法人で副業する場合、無償で働くということもできます。
無償での関わり方では、以下のようなケースが考えられます。
- 休日を利用してボランティアをする
- 本業のスキルを社会貢献のために生かす
- 理事や役員となり、団体の一員として活動を支える
団体の要望に柔軟に対応できたり、自分の生活をベースに関われるところが魅力的です。
NPO 法人で副業するメリット
NPO 法人で副業するメリットの一例は、以下のとおりです。
- 価値観の共有や仲間ができる
- 体験を通じて本業に生かせる
副業を通じて、本業では味わえない経験を得たり、人生が豊かになったりしますので、順番に解説します。
価値観の共有や仲間ができる
NPO法人で副業するメリットは、価値観の共有や仲間ができる点です。
団体のメンバーは、活動内容に共感して参加しているため、自分と合った価値観を共有しやすく、仲間意識を持ちやすいからです。
すると例えば、異業種の友達ができたり、本業と違ったスキルを学んだりする機会に恵まれる可能性があります。
このように、価値観の共有や新たな仲間ができることが、NPO法人で副業する大きなメリットの1つといえます。
体験を通じて仕事に生かせる
NPO法人での体験を通じて、本業に活かせる場合があります。
副業を通じて社会問題や地域貢献などに関わると、自分の価値観や視野が今より広くなる可能性があるでしょう。
それらを本業に活かし、今までにないアイデアが生まれて成果につなげられるかもしれません。
また、NPO法人で働いた経験が、転職などの際に有利に働く場合もあるでしょう。
NPO 法人で副業するデメリットは本業や家庭との両立が大変になること
NPO 法人で副業するデメリットは、本業や家庭との両立が大変になることです。
本業で働き、余暇をNPO法人の副業に当てるため、体力的にきついと感じるかもしれません。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 休息が十分に取れず、本業に支障が出る
- 副業のために、子育てや介護に支障がでる
本業と副業や家庭、それぞれにかける時間や業務量を明確化して調整しないと、生活が破綻してしまうかもしれないので注意してください。
副業で関わったNPO法人へ転職を考えた時に見るべきポイント
副業で関わったNPO法人へ転職を考えた時に考えるべき主なポイントは、以下の2つです。
- NPO法人の給料をチェックする
- NPO法人に所属後に副業はできるのか
転職した後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、それぞれ順番に解説します。
NPO 法人の給料
NPO法人に転職を考えたら、給料がいくらになるのか確認しておくことは大切です。
なぜなら、「令和2年度特定非営利活動法人に関する実態調査」によると、NPO法人の平均給料は年249万円と、民間企業より低い水準となっています。
そのためNPO法人に転職すると、給料が低くなってしまうかもしれません。
それでもNPO法人で働きたいかどうか、入念に検討するべきです。
NPO法人の給料について詳しく知りたければ、以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
NPO法人に所属し副業するには就業規則をチェックする
NPO法人に所属しながら副業したい場合は、同様に団体での就業規則のチェックが必要です。
NPO法人とはいえ、一般企業と変わらずに就業規則に基づいて副業の可否を判断している場合が多いです。
就業規則に注意すればNPO法人で副業できる
就業規則を確認して問題なければ、NPO法人で副業は可能です。
会社員の場合は会社の就業規則に、公務員の場合は自治体の許可基準に抵触していないか確認しましょう。
NPO法人での副業ををすれば、新たな仲間と知りあえたり、経験を本業に活かしたりできるメリットがあります。