NPO法人に就職するにはどうすればいいかお悩みではないでしょうか。
求人サイトなどで募集しているケースもありますが、ボランティアやインターンシップなどで団体と接点があると就職活動が有利になりやすいです。
本記事では、NPO法人に就職する方法を解説しつつ、給料面や安定性についても説明します。
NPO法人への就職を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
NPO法人に就職する方法
NPO法人にスムーズに就職するには、なにかしらで団体と関わりを持つのが大切です。
その方法の代表例は以下の3つです。
- ボランティアで関わる
- インターンシップに参加する
- 団体に直接問い合わせる
NPO法人と直接関わりを持てば、団体に人柄を知ってもらえるため、選考が有利になります。
なお、NGOの就職についてはこちらの記事で詳しく解説するので、参考にしてください。
ボランティアで関わる
希望のNPO法人に就職するには、一度ボランティアで関わってみるのがおすすめです。
NPO法人のスタッフと直接関わる機会が生まれ、人柄や働きぶりを知ってもらえるからです。
また、スタッフの立場で考えてみても、書類だけで選考するより一緒に活動に参加した方のほうが、採用後のイメージがつきやすくて研修の手間も省けます。
ボランティアでしっかり働いて、関わったスタッフに熱意を伝えると効果的です。
インターンシップに参加する
インターンシップに参加して、NPO法人と関わりを持ち、そのまま就職する方法があります。
NPO法人のインターンシップに参加すると、より深く活動に触れられて団体の雰囲気を体感できるため、団体が自分に合ってるのかも判断しやすいです。
団体のホームページや求人サイトなどでインターンシップを募集していることがあるので確認してみるとよいでしょう。
インターンシップ参加は、就職後のミスマッチを防ぐ上でも有効ですので、情報を集めた上で参加を検討すると良いでしょう。
NPO法人に直接問い合わせる
就職したいNPO法人が決まっているなら、その団体に直接問い合わせるのも有効です。
内閣府のNPO法人ポータルサイトでは、NPO法人の検索できます。
その後、NPO法人の公式サイトの「採用情報」から応募してみましょう。
ただし、募集を締め切っている可能性があります。
その場合はボランティアやインターンシップなどから関わりを持てないか模索しましょう。
なお、この方法では書類選考や面接などを行うため、事前に志望動機や自分の強みを明確にして対策しましょう。
NPO法人の給料
NPO法人の平均給料は、認証NPO法人で249万円、認定・特例認NPO法人で327万円です。
認証NPO法人 →NPO法人として認証された団体。 認定・特例認定NPO法人 →NPO法人の中でも、定められた基準をクリアした団体。 |
民間企業の平均給料は433万円(平均賞与込み)なので、それより低いのが実情となっています。
なお、団体によっては副業やダブルワークを認めている場合があります。
とはいえ、NPO法人ごとに給与水準は異なり、保健や医療・福祉分野では高い傾向です。
NPO法人の給料事情について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
NPO法人でも原則副業ができる
NPO法人に就職しても原則は副業は可能です。
給料に不安があれば、副業を検討してもよいでしょう。
ただし、あらかじめ就業規則を確認してください。
NPO法人も民間企業も就業規則に基づいて就労するため、所属する団体によっては副業が禁止または制限されている可能性があります。
NPO法人での副業についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
NPO法人の安定性
NPO法人も安定性は民間企業とほぼ同じと考えられます。
なぜなら人を雇う時は、労働基準法や労働契約法に基づいて契約するからです。
このように法律で守られるため、NPO法人と民間企業で違いはありません。
ただし、団体が破産したり、契約職員として働いていたりした場合は、急に解雇されるケースはあります。
NPO法人で安定して働いていきたければ、団体の規模やどのような雇用関係となるかも検討するとよいでしょう。
NPO法人に就職するデメリット
NPO法人に就職するデメリットの代表例は以下のとおりです。
- 給与水準が低い
- 即戦力が求められることがある
- 民間企業に転職しにくい可能性がある
上記をよく理解したうえで就職を検討しましょう。
給与水準が低い
NPO法人は、給与水準が民間企業と比較して低い傾向です。
民間企業とNPO法人と認定・特例認定NPOの平均給料を表にまとめると、以下のとおりです。
団体 | 平均給料 |
---|---|
民間企業 | 433万円(賞与含む) |
認定・特例認定NPONPO法人 | 327万円 |
NPO法人 | 249万円 |
上記のように、NPO法人は利益を求める運営ではないため、平均給与が低い結果になっています。
即戦力が求められることがある
NPO法人の就職は、即戦力が求められることがあるので、新卒や団体の活動について未経験の人は難易度が高くなる可能性があります。
特に少人数のNPO法人では、新人育成に時間が取れなかったり、そもそも育成する人材が足りなかったりするのです。
そのためボランティアやインターンシップで団体のことを知りながら経験を積んだり、まずは民間企業で経験やスキルを身につけたりしてから、NPO法人への就職を考えるとよいでしょう。
民間企業に転職しにくい可能性がある
NPO法人に就職すると、民間企業に転職しにくい可能性があります。
一般企業の中には、NPO法人は「ボランティア団体でビジネスに関する知見がない」という偏見を持っている場合があるからです。
しかし、最近はSDGsやCSR活動に力を入れる企業も増えてきており、NPO法人での活動が評価される傾向もあります。
SDGs →持続可能な世界にするために必要な17分野の取り組み。企業が取り組むことが推奨されている。 CSR活動 →企業が組織活動を行うために担う社会的責任を指す。 |
もしNPO法人から民間企業へ転職を視野に入れているなら、いかに社会貢献性の高い業務をこなしたかをアピールするとよいでしょう。
NPO法人に就職するメリット
NPO法人に就職するメリットは主に以下のとおりです。
- 社会貢献性を強く感じられる
- 人脈が広がりやすい
- スキルがあると重宝される
NPO法人への就職ならではのメリットもあるため、それぞれ説明します。
社会貢献性を強く感じられる
NPO法人に就職するメリットは、自分が社会貢献できていることを強く感じられるところです。
活動を通じて、困っている人と直接関わるケースが多く、相手からの感謝がやりがいにつながりやすいでよう。
民間企業でお客さまと直接関わらない部署に配属された場合、お客さまから感謝の言葉を言われることはほぼありません。
また、NPO法人では、行政や民間企業の手が届きにくい社会問題に携わる点も、1つのやりがいになるでしょう。
人脈が広がりやすい
NPO法人に就職すると、人脈が広がりやすいといわれています。
団体のスタッフとはもちろん、地域の方や企業・行政と関わる機会が増えるためです。
さらに、ボランティアに参加してくれる方々とも知り合うことができ、民間企業に所属するよりも多種多様な人と関わる可能性が高いといえます。
スキルがあると重宝される
NPO法人へ就職活動をする際、団体が求めるスキルがあると重宝されます。
民間企業でも同様ですが、例を挙げると以下のようなスキルが求められます。
- Word・Excelなどのパソコンスキル
- コミュニケーションスキル
- マーケティングやWebに関するスキル
特に即戦力を求めている団体では、スキルの有無がより重要です。
逆にいえば、スキルを持っていれば多くの団体から引く手あまたでしょう。
NPO法人に就職するにはまずは関わりを持つのが有効
NPO法人に就職するには、まずはなにかしらで関わりを持つのが有効です。
いくつか方法がありますが、代表例は以下のとおりです。
- ボランティア活動への参加
- インターンシップへの参加
- 団体に直接問い合わせる
団体との関わりがあると、人柄や働きぶりを知ってもらえるうえ、働き方や環境が自分に合っているのかの判断もできます。
その他にも、NPO法人の給料や就職するメリット・デメリットもよく検討することが大切です。